寒い季節の運動療法のコツ!
明けましておめでとうございます。
昨年1月1日に改称しました「名取とおる内科・糖尿病クリニック」は無事に2年目に突入することが出来ました。
ひとえに、しっかりと自分の健康のために通院し、治療を頑張ってくださる皆さんのおかげです。
クリニックスタッフ一同、皆さんの健康を陰ながらサポートできるように、そしてもっとクリニックが愛されるよう頑張ろう、と改めて気を引き締めてまいります。
本日は、「年末年始で正月太りをしてしまっし、血糖も上がってしまった・・・。でも外は寒いから家から出たくないし、どうしよう・・・。」という方に、こんな季節にお薦めの運動療法をご紹介したいと思います。
①本当に冬は血糖コントロールが悪くなるの?
②実際の運動のコツ!
①本当に冬は血糖コントロールが悪くなるの?
冬、特に年末年始は、血糖コントロールが悪くなって、暖かくなると良くなる、というのを経験されている方は多いかと思います。その原因は、クリスマス・お正月だけでなく、その前後に忘年会・新年会といつもより外食の機会やハイカロリーのものが多く、かつ寒いため、汗をかく機会が少なく、それにあまり外で運動という気にもなりにくくなります。
上の表のように、名取市は12月~3月までは大変寒いことが分かります。
また、少し古くなりますが、日本で行われた気温変化とHbA1cの変化、月別のHbA1cの推移を10年間に渡って行った調査が報告されていますので、ご紹介します。(Sakura H et al. Seasonal fluctuations of glycated hemoglobin levels in Japanese diabetic patients. Diabetes Res Clin Pract. 2010 Apr;88(1):65-70)
ご覧のように、やはり気温が下がるとHbA1cが上昇すること、そして9月~3月と冬になるにつれHbA1cが悪化することが分かり(ここで注意したいのは、3月のHbA1cは2月頃の血糖を反映していることです)、1年を通して綺麗なS字カーブをかいています。
やはり、冬は血糖コントロールが悪化するのは疑いようもない事実です。
では、次に冬に実践できる、運動療法のコツをご紹介したいと思います。
②実際の運動のコツ!
最初から矛盾するようですが、「運動しなきゃ!」を気負わないようにすることがとても大切です。
クリニックの診察で「運動してくださいね」と言われたり、家族から「運動してきなさいよー」って言われると、逆にモチベーションが下がるのが人間というものです。
とりあえず、「10分ぐらい体動かそうかな」ぐらいの軽い気持ちでスタートしてください。0と1では全く違います。
・運動を始める前、終わった後
これは、どの季節でも共通することになりますが、必ず準備体操(ストレッチ)を運動前後に入れて下さい。
特に寒い季節は、体がこわばっています。そんなときに急に負荷をかけてしまうと、筋肉を痛めてしまったり、最悪肉離れやアキレス腱断裂など、逆に運動どころか安静にしなくてはいけなくなり、本末転倒です。
・実際の運動
私は、暖かい日は別ですが、無理に外に出なくてもよいと思います。
むしろ、暖房が十分きいた暖かい部屋で運動した方が、心臓には負担をかけないのでむしろよいかと思っています。
いわゆる、バーベルを持ち上げるレジスタンス運動や、エルゴバイクなどを用いた有酸素運動どちらも良いと思います。
最近はYou Tubeなどで、「10分間有酸素トレーニング」とか、「短時間腰・下半身トレーニング」などキーワードを入れると、本当に数多くの動画が出てきます。
もしくは、NHKのラジオ体操でもよいと思います。
実は院長自身も、朝食前にYou Tubeをみながらこの軽い・短時間の運動を数年続けています。10分程度ですからあまり気負わずできます。また、わざわざジムなどに行かないですみます。
もちろんジムを利用されてもいいとおもいますが、一番大切なのは、ノルマ感なく毎日続けられることです。
仮に朝寝坊をしてしまっても、帰宅後、入浴前の10分を利用されてもいいと思います。
ただ、注意しなくてはいけないことは、動画によっては負荷が強すぎて、逆に体を痛めてしまうことがあります。
もう1つは、日常生活に運動を入れる、ということです。
例えば、通勤する移動には、エスカレータを使うのではなく階段を使ったり、わざといつもの行動に軽い負荷をかけてあげるのです。
それだけでも、やるとやらないとだと、全く違います。
実際院長は、診察に入るとイスにばかり座っていますが、カルテを受け渡しする時などなるべく立ち上がるようにしています。
名取とおる内科・糖尿病クリニック
院長 鈴木 亨