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アメリカ内科学会2024 上級会員授与式に出席してきました

[2024.04.29]

今回のブログは、新しい健康情報ではなく皆様へのご報告になります。
2024年16日~20日にかけて、とおる内科・糖尿病クリニック開院以来初の長期臨時休診とさせて頂きました。
休診によって患者様にはご迷惑お掛けいたしました。
この期間2024年4月18日~20日にボストンで開催された America College of Physician Internal Medicine Meeting 2024(アメリカ内科学会2024)に出席して参りました。
今回のブログでは、その学会の様子をお伝えできればと思います。

アメリカ内科学会は、日本内科学会認定の総合内科認定医という内科全分野から出題される最上位の試験に合格し、初めて入会することが認められます。
私の場合、2018年に入会することが出来ました。
入会後さらに、診療・医学教育・学会参加・医学研究などの知識だけでなく、市民公開講座や奉仕活動(このへんがアメリカらしいと感じます)など
幅広くの分野でこれまでの活動を学会で審査を受け、2023年1月1日付けでアメリカ内科学会の一般会員からFellow of American College of Physician (FACP)
= アメリカ内科学会上級会員に昇格しておりました。昇格したところ、学会から招待状が届き、このたび授与式に参加するようにお声頂きました。
*なお、日本のFACPは日本支部公式HPから見ることができます。東北地方には25人しかFACPがいないことが分かります。

■アメリカ内科学会の様子
アメリカ内科学会は会員数16万3千人(医学生会員1万5千人を含む)を擁し、世界162か国に会員を有する国際的な内科学会です。
そして、年1回アメリカで国際学会が開催されます。今年はボストンでしたが、昨年はサンディエゴ、来年はニューオリンズ・・・とアメリカ各地で開催されます。

聴講する講演会の他、実技を習うことのできるハンズオンなどもあり、大変盛り上がっていました。

コーヒーを飲んだり、食べたりしながら参加できるのは海外の学会ならでは光景です(日本では会場では飲食禁止ルール)。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 










■授与式

新規FACP昇格した医師は2023年度は私を含め3人、2024年度は現時点では0人と少なく、他のセッションに日本支部から推薦された方も含めて今回の授与式に日本から参加したのは総勢15名程度でした。1,000人以上は軽く入りそうなホールで開催され、世界中から参列していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
















American College of Physicians Pledge を全員で読上げたとき、「これからも一内科医として、目の前の患者さんをしっかりと治療していこう」と改めて思わされる、厳格な式典でした。

(原文)

American College of Physicians Pledge

I affirm my belief in the mission
of the American College of Physicians
To preserve and maintain
the highest traditions and precepts
of our professional calling
And I solemnly declare
that I will conform to these ideals
to the utmost of my ability

I therefore reaffirm my dedication
to the practice of medicine
To act always in the best interests
of my patients
To respect the reputation and integrity
of my colleagues
To supplement my own judgment
with the counsel of others
when the occasion requires
To render assistance to my colleagues
in every way
To extend my professional aid
to the unfortunate
To increase my medical knowledge
and understanding by continuing study
by association with physicians
of the highest intellectual and ethical standards
and by the free exchange
of information and experience
with all of my medical colleagues

I hereby pledge to uphold
the ethics of medicine as exemplified
by the standards and traditions
of this College

(和訳)

米国内科学会誓約書

私は、米国内科学会(American College of Physicians)の使命に対する信念を確認します。
専門職としての最高の伝統と戒律を守り、維持すること。
そして、私はこれらの理想に最大限の努力をもって従うことを厳粛に宣言します。

従って、私は医学の実践に献身することを再確認します。
常に患者の最善の利益のために行動する。
同僚の名声と誠実さを尊重する。
必要に応じ、自己の判断を他人の助言で補うこと。
あらゆる面で同僚を援助すること。
不幸な人々に対して、専門家としての援助を惜しまない。
最高の知的水準と倫理観を有する医師との交流を通じて研鑽を重ね、またすべての同僚医師との自由な情報交換と経験交流を通じて、医学的知識と理解を深めること。

私はここに、本学会の基準と伝統に示される医学の倫理を守ることを誓います。




■ハーバード大学の研究室訪問
学会参加の他に、現在当院の臨床研究で共同研究者として御世話になっている、札幌医科大学の古橋眞人教授のご紹介で、ハーバード大学の研究所見学をしてきました。
ハーバード大学にはJoslin Diabetes Center (ジョスリン糖尿病センター)と言う、糖尿病を診療する医師であれば知らなければモグリ、と言われるほど有名な研究所があります。
「ジョスリン糖尿病学」という、近代糖尿病医学の発展をまとめた医学書の名前を冠した大変歴史のある施設です。
日本からも何人もの医師が留学し、帰国後は多くの医師が教授としてご活躍される、糖尿病学の登竜門的存在です。また今でも多くの著明な研究者が在籍しています。
今の、そしてこれからの糖尿病を始めとした疾患の明日を治療を日々研究しているエリアになります。
かくいう私も、ジョスリン糖尿病学で勉強し、そしていつか訪れてみたいと思っていた、憧れの地でありました。

そして、同時に私は公衆衛生学修士を持っております。東北大学医学部医学科の公衆衛生大学院で学位を取得しました。
この資格は日本はもとより世界中の公衆衛生大学院で勉強することができますが、ハーバード大学のT.H. CHAN School of Public Health (TH CHAN公衆衛生大学院)は世界のトップ2と言われる大学院のうちの1つです(もう1つはJohns Hopkins School of Public Health)。先ほどのJoslin Diabetes Centerと同様に、やはり憧れの地でした。
そう考えるとハーバード大学の凄さが改めて分かります。

私より大体5-10歳近く若い先生方ですが、千葉大学や大阪大学など、日本各地からこのボストンの地に集まって研究されており、いつか日本を引っ張っていく、そしていつか糖尿病を治癒・寛解させるようなご研究をされる方々と思っています。


今回は、一週間近く臨時休院させて頂いた期間のご報告でした。
ここで得た知識を、明日からの診療で皆様にお役にたてるよう、さらに精進したいと思います。

名取とおる内科・糖尿病クリニック
院長 鈴木 亨

 

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